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能島孝志ブログ

国産のお墓を考えているのに、多くの消費者が中国加工の大島石墓石を選ぶ理由?

お墓を建てる際に、やはり気になるのが値段と石でしょう。

国産の墓石にするか、それとも、中国やインドをはじめとする、
外国産の墓石にするかが、墓石を選ぶ際のスタートになります。

"安心"という点から考えると、やはり国産となるのですが、
「国産は値段が高い!」という理由で断念される人もおられます。


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こんな悩みを抱えている人の目に飛び込んでくるのが、
石材店の安売りチラシや、国産墓石の激安通販サイトです。

また、他社との競合を勝ち取るため、驚くほどの安い値段で、
国産墓石の見積り提示をしている石材店も少なくありません。

これらの国産墓石に、必ずと言っていいくらい登場するのが、
四国・愛媛県で採掘される、日本の銘石である「大島石」なのです。


大島石は、本来、激安で販売されるような石ではありません。


「お墓に使う石と言えば何といっても大島石!」と言うくらい、
西日本、特に関西・中国地方では有名な高級墓石材なのです。


それが、今日では、安売りの国産墓石の代表格になっています。


その、理由は、中国で加工された大島石墓石の登場です。


大島石の原石をコンテナで大量に中国の石材加工工場に輸出し、
墓石として加工したものを、再度、日本に輸入した製品なのです。

その大島石墓石は、日本国内の卓越した技術を持つ石職人と比べると、
加工精度や加工方法、研磨精度に根本的な違いがあります。


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中国の石材加工工場に大量にストックされている大島石原石



また、日本から中国の石材加工工場に大量に送られる大島石の原石は、
そこそこの品質の石から粗悪な石まで混在して送られています。

中国の工場側も、良い石も悪い石もお金を払って買っているので、
良い石だけを墓石に加工して、悪い石は捨てるなんてことはしません。

たとえ、赤身を帯びた、きたない色目の大島石であっても、
薬品を使って赤身を抜き、墓石製品として日本に送られてきます。

薬を使ってお化粧をしているので、建ててすぐは分かりませんが、
お化粧がはげ落ちる頃には、元の状態がばれてしまうのです。


つまり、大島石墓石と言っても当たり外れの差が大きいのです。


中国の石材加工場側と直接交渉ができる石材店なら別ですが、
全国のおおよそ99%の石材店は、石材商社という問屋を通じて、
中国から墓石を輸入している以上、当たり外れは当然出てきます。


そして、必ず誰かに外れは当たるのです。


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本題に戻ります。


「お墓は国産が安心!」と言う理由で国産の大島石墓石を選んだのに、
多くの消費者が中国加工の大島石墓石を選ぶ理由は何故なのでしょう?

あくまでも、私自身の想像ですが、以下のような理由で、
中国加工の大島石墓石を選ばれたのではないでしょうか?


①消費者は中国加工の大島石墓石であることを知らない。
「国産墓石」と聞かされているので国内加工と勝手に思っていた。

②石材店の営業マンから、国内加工も中国加工も差がないと言われた。

③値段の安さが魅力で中国加工の大島石墓石を選んだ。


近年、「ジャパンブランド」と称される、日本の製品や技術には、
日本人が持つ細やかさであるとか、製品へのあくなきこだわり、
人に見られていなくても手を抜かずに高みを目指す職人気質など、
誰に言われたわけでもないが、「ここまでやらないと自分が納得しない」、
という強い想いがメイド・イン・ジャパンの価値を生み出しています。


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かつて日本は、近江商人の「三方よし」の精神で商売がなされてきました。


"売り手良し""買い手良し""世間良し"の三つの「良し」。
買い手が満足できるだけでなく、売り手もともに満足し、
同時に社会貢献もできるのが良い商売であるという近江商人の心得です。

それが、いつの間にか墓石業界も「売り手良し」を優先した、
短期利益追求型に変わってしまったような印象を受けます。

一般消費者にとって、値段の安さと言うのは確かに魅力的でしょうが、
お墓は買い替えのきく商品ではないだけに慎重に考える必要があります。


そして、年数が経てば経つほど、国内加工の大島石墓石と、
中国加工の大島石墓石との品質の差は広がると言えるでしょう。


そう考えると、少々安いと思って買った中国加工の大島石墓石が、
はたして、本当に得なのか?、それとも「安いだけ」なのか...

ただ、当社のある神戸市、ならびに、関西地方の墓石のサイズは、
極めて広い墓地に建てるお墓を除き、それほど大きくはありませんので、
国内加工と中国加工の値段の差も、ビックリするような差ではありません。


もちろん多少の差はありますが、値段の差以上に製品の差もあります。


これは、何も大島石の墓石だけに限ったことではありません。


現在、市場に流通している日本の石のほぼ全てと言っていいくらい、
あらゆる日本の石が中国で墓石として加工されているのが現状です。

中国加工の国産墓石と国内加工の純国産墓石の違いを、
ご自分の目で確かめてみたい方はご遠慮なくお問い合わせください。


ご相談、御見積りは全て無料です。


お墓・墓石は高額商品であり、簡単に買い替えするものではありません。


ましてや、高級国産墓石を選ばれるとなるとなおさらです。


十分な情報収集と自分自身の目と耳で、何を選べば間違いないのかを、
きちんと確かめた上で、信頼できる石材店を選ぶことが、
失敗・後悔しない、心から満足できるお墓づくりの方法です。


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なお、お墓に関するご相談や、墓地での詳細説明につきましては、
お客様ごとに私・能島孝志が個別に対応させていただいております。

せっかくご来社いただいたにもかかわらず、お会いできなかったり、
お待たせすることがないよう、事前予約をお願いしております。

以下の「お墓の無料相談 予約カレンダー」をご確認の上、
お電話にてご予約頂けますよう、よろしくお願い申し上げます。


[お墓の無料相談 予約カレンダー]
https://www.daiichisekizai.com/reservation/


私ども、第一石材では、しつこい売り込みや、自宅への訪問営業、
電話での後追いなどは一切いたしておりませんのでご安心ください。




墓石だけに限らず「国産品」は値段が高いことを消費者は知っているのだが...

お墓・墓石だけに限らず、やはり安心のキーワードは、
なんと言っても「国産」と考える人は少なくありません。


野菜も中国産より国産。


豚肉もアメリカ産より国産。


鶏肉もブラジル産より国産。


家電製品も中国産より国産支持派の方が大多数です。


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韓国の乗用車が2016年に日本で売れたのはたった7台とのこと。


特に、人の口に入る食品に関しては、値段が高いのは分かっていても、
国産品を選ぶ人が多いのは、やはり安心感としての理由でしょう。

墓石も国産は、中国やインドなどでつくられる外国産墓石と比べると、
値段が高いのは、食品をはじめとする他の商品と全く同じです。


そうです!やはり国産の墓石は値段が高いのです。


でも、多くの一般消費者は食品のように納得はしてくれません。


「国産は欲しいが値段は安いにこしたことはない」という人が多いのです。


中国産墓石の予算で国産墓石を要望される方も結構います。


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中国の石材加工工場に大量に送られた大島石原石



その結果として、日本の石を大量に中国に送り、
中国の石材加工工場で墓石として加工された製品を、
再び日本に輸入して販売される「国産墓石?」が登場したのです。


素材が国産なので「国産墓石」で法的に問題ないのです。


納得がいかない消費者の方もおられるかと思いますが、
現行法律では何の問題もなく「国産墓石」として販売できるのです。

したがって、販売する石材店側も、中国で加工された事実を伝えず、
単に「国産ですから安心ですよ!」なんてトークで売るわけです。


購入者も、日本の石がまさか中国で加工されているなんて思いません。


日本の石なんだから、当然日本でつくられていると思っています。


それどころか、購入した石材店が自社の工場で石を切って磨いて、
国産の墓石をつくっていると思っている人も意外と多いのです。


過去ログ「自社加工の墓石なら安心か!?」をご覧ください。

               
現在、市場に流通している国産墓石は、日本国内で加工されるものより、
中国でつくられる通称国産墓石の方が圧倒的に多いのが現状です。


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琵琶湖の生態系が外来種により危険にさらされているのと似ています。


しかし、国内の卓越した技術力をもつ職人の手でつくられた国産墓石と、
中国の石材加工工場でつくられた国産墓石と呼ばれるものでは、
矩手(かねて:直角という意味)が出てないなどの製品精度や、
経年による磨きの艶持ちなど、根本的な違いは歴然なのですが、
消費者にはなかなか理解を得ることができていないのが現状です。

その理由として、国内加工の国産墓石と中国加工の国産墓石の違いを、
きちんと説明することなく、値段の安さのみを前面に打ち出し、
とにかく契約を急ぐ営業マンが多いということも原因の一つです。


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庵治・牟礼の一流工場で加工した角花瓶型花立て



国内加工の国産墓石と中国産の国産墓石とがどう違うのかなど、
「素人が見ても分からない」と思っている消費者も多いでしょうが、
実際に建っているお墓を見ていただくと意外と違いが分かるものなのです。

実際に当社で、墓地を案内させていただいたほとんどの方は、
自分自身が思っていた以上に品質に差があることに驚かれます。


そして、その違いを知った方は中国加工の国産墓石は選びません!


たとえ、値段が少々高くとも、国内の一流工場の職人の手でつくり上げた、
完全国内加工の「純国産墓石」の方をほとんどの方が選択されます。


値段が高くても国産の食品を買うのと同じです。


違いが分からないから、必然的に安い方を選んでしまうのです。


中国加工の国産墓石と国内加工の純国産墓石の違いを、
ご自分の目で確かめてみたい方はご遠慮なくお問い合わせください。


まさに「目からウロコ」ですよ!


ご相談、御見積りは全て無料です。


お墓・墓石は高額商品であり、簡単に買い替えするものではありません。


ましてや、高級国産墓石を選ばれるとなるとなおさらです。


十分な情報収集と自分自身の目と耳で、何を選べば間違いないのかを、
きちんと確かめた上で、信頼できる石材店を選ぶことが、
失敗・後悔しない、心から満足できるお墓づくりの方法です。


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なお、お墓に関するご相談や、墓地での詳細説明につきましては、
お客様ごとに私・能島孝志が個別に対応させていただいております。

せっかくご来社いただいたにもかかわらず、お会いできなかったり、
お待たせすることがないよう、事前予約をお願いしております。

以下の「お墓の無料相談 予約カレンダー」をご確認の上、
お電話にてご予約頂けますよう、よろしくお願い申し上げます。

[お墓の無料相談 予約カレンダー]
https://www.daiichisekizai.com/reservation/


私ども、第一石材では、しつこい売り込みや、自宅への訪問営業、
電話での後追いなどは一切いたしておりませんのでご安心ください。


一般消費者の多くの方が知らない国産墓石の秘密

お墓を選ぶ際に、国産の墓石を希望される理由は何なのでしょうか?

日本人の多くの消費者は、お墓・墓石だけに限らず、
「国産」の製品・商品を望まれる人が数多くいらっしゃいます。

国産の食品、国内縫製の衣料、国産の家電製品など、
少々値段が高くても、国産品を好まれる方が多いのです。

これらの国産品を買われる方の多くは、商品・製品の良し悪し以前に、
「国産」=「安心」という観点から国産品を選ばれるのです。


ところが、この「国産」の定義が結構分かりにくいのです。


例えば、スーパーなどで「国産牛」と表示されている牛肉を、
なんの疑いもなく、国産品と思って買っている人が数多くいますが、
この「国産牛」とは、外国で生まれた牛を生きたまま輸入し、
日本国内で3カ月以上飼育された牛の牛肉のことなのです。
(参照サイト:https://www.kokusanboseki.com/blog/2015/06/entry_979/)


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「国産牛」はどこの牛?


つまり、「国産牛」と表示されて販売されている牛肉は、
元来の日本の牛ではなく輸入牛なのですが、なぜか「国産牛肉」なのです?


このことを知っている人が、いったいどのくらいいるのでしょう?


墓石の場合もこれと同様のことが言えるのです!


日本国内の採石丁場で採掘された国産の石を中国に送り、
中国の石材加工工場で墓石として完全製品化されたものを輸入し、
「国産墓石」と表示して販売しても法的に全く問題ないのです。


しかも、中国でつくられたということを明記する必要もありません。


堂々と「国産墓石」として販売できるのです!


でも、一般消費者は、「国産」=「日本でつくる」と思っているのでは? 


そして、日本のものを日本でつくるから安心だと思っているのです。


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国産墓石の約8割は中国加工


しかし、墓石の場合、「国産墓石」と称して販売されているものの、
おおよそ80%が、中国の石材加工工場でつくられた製品なのです。

つまり、日本の市場に流通しているほとんどの国産墓石は、
中国で加工された国産墓石だと考えて間違いないくらいなのです。

あなたは、たとえ中国でつくられたものであったとしても、
何の躊躇もなく「国産墓石」を選んで購入されますか?


何を求めて国産墓石を選ばれるのかを今一度考えてみましょう!


材料(石)さえ国産であれば、加工は中国でも構わないのですか?


日本の高い技術力を有する加工工場でつくられる国産墓石と、
中国加工の国産墓石との違いを知りたい方は以下へお問い合わせください。




「産地証明書」は信用できるのか?(5・最終話)しょせんはただの紙切れ!

以下のブログからの続きです。最初からご覧になってください。

(1)産地証明書は品質を証明するものではない!
(2)宝石の「鑑定書」「鑑別書」とはどう違うのか?
(3)「A5ランク」の和牛が絶対おいしいとは限らないのと同じ!
(4)外国産墓石の産地証明書には国名・加工地のみの記載


消費者が購入したお墓に発行される「産地証明書」について、
これまで、いろいろと書かせて頂きましたが結論です。


「産地証明書」をまるまる信用するのは危険です。
極論すればただの紙切れであって、お墓そのものではないのです。



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消費者のなかには、産地証明書の有無を最も重視する人がいますが、
書かれていることといえば、国産墓石でも以下のような内容だけです。

①石の名称
②採石丁場...原石の採掘業者名
③加工業者又は、石材商社名
④販売店名...石材店など墓石販売店

外国産墓石の場合は、もっと簡略化されています。


要するに「どこで採れた」「どういう名前の石を」、
「どこでつくった」または「どこの石材商社が取り扱いをしたか」、
そして、どこの石材店が消費者に販売したかが書いてあるだけです。

愛知県で製造されたプリウスをカローラ兵庫○○店で購入。
亀山工場で製造されたシャープのアクオスをヤ○ダ電気で購入。


例えるならばこんな感じです。


クルマや家電製品を購入する時にこんな内容の証明書を求めますか?


クルマや家電製品などの工業製品でも当たり外れがありますが、
石は大地の自然から産出される天然資源であるだけに、もっと厄介です。
いくら有名ブランド石であっても全てが良いわけではありません。


なかには、墓石に使えないような石もたくさんあります。


そして、いくら良い素材を使っていても墓石自体の構造はどうなのか?
加工精度の良し悪しや、耐久性に優れた設計・施工であることも重要です。


お墓は極めて当たり外れがある商品なのです!


先ずは、そこの部分を一般消費者は知っておくべきです。
※詳しくは「お墓には当たり外れがある?」をご覧ください。

今の世の中、はたして何を信用していいのか分からないくらい、
さまざまな業界で数多くの偽装事件が勃発しているだけに、
「産地証明書」に頼りたいという消費者の気持ちも分かりますが、
しょせんは「ただの紙切れ」であることを十分認識しておくべきです。


繰り返しますが、実際のお墓そのものではないのです!


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お見合いでも「釣書」の内容だけで結婚を決める人はまずいないでしょう。
やはり、実際に合って話をして、その人の「人となり」や、
自分との相性など、釣書以上に優先されることの方が多いはずです。

お墓の場合も同じで、産地証明書や保証書なんてなくても、
素晴らしいお墓を提供してくれる石材店もあるはずです。


やはり、最終的には「石材店選び」しかありません。


お墓は高価な買い物だけに「産地証明書」という紙切れだけに頼らず、
いろいろな石材店に自ら足を運び判断するしか方法はなさそうです。




             ~おわり~



「産地証明書」は信用できるのか?(4)外国産墓石の産地証明書には国名・加工地のみの記載

国産墓石に対して発行されるほとんどの石材産地証明書には、
石の名前、採掘業者名、加工業者名、販売石材店が記載されています。

それに対して、外国産墓石に発行される石材産地証明書には、
石の名前、加工地、製品輸入業者、販売石材店が記載されています。

さて、国産墓石用と外国産墓石用のどこが違うかと言うと、
国産墓石用には、原石の採掘業者、墓石の加工業者名が記されていますが、
外国産墓石用には採掘業者名と加工業者名が記載されておりません。


その代わりに「加工地」「加工国」などの項目があります。


「石材産地証明書」は、さまざまな団体から発行されていますので、
一概には言えませんが、ほとんどがこのような内容かと思います。


では、この加工地等の箇所にどのように記載されているかです。


「加工地」すなわち、どこでお墓がつくられているかということです。


外国産墓石に発行される石材産地証明の多くは加工地の箇所に、
「中華人民共和国」「中国福建省」などと記載されていると思います。


製品によっては「インド」もあるかも...


これを、国産墓石の石材産地証明書に当てはめれば、
「日本」あるいは、「四国」または「香川県」となるわけです。


つまり、中国のどの石材加工工場でつくられた製品かは分かりません。


しかし、中国国内には数多くの石材加工工場があります。
値段は高いが優れた技術レベルの工場、値段は安いが製品はさっぱり、
値段もそこそこで製品の出来栄えもそこそこの工場など、実に様々です。


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工場により技術力の差があることに関しては日本の場合も同じです。
日本国内ならば、どの石材店で加工しても良いものが出来るとは限りません。


中国より加工技術のレベルが低い石材店もたくさんあります。


ただ、中国の石材加工工場の体質(ものの考え方)は極めて分かりやすく、
製品の出来も素晴らしく値段も安いという工場はまず存在しません。


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値段の高い工場には良い石と腕の良い職人が集まります。
逆に、値段の安い工場は安い石材しか扱わず腕の良い職人も居ません。

ユ○クロのように「値段は安いが製品は良い!」なんてことは、
同じ中国でつくられているにも関わらず、石材業界では有り得ないことです。


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中国における石材加工においては、良い工場とそうでない工場、
すなわち、値段の高い工場と安い工場の製品の差は顕著に表れます。

しかし、様々な団体が発行する外国産石材産地証明書のほとんどが、
加工地は「中華人民共和国」「中国・福建省」としか記載されていません。

たしかに、石材産地証明書は産地を証明するものであり、
品質の良し悪しを証明するものではないにしても、
消費者に少しでも安心感を与えることを目的とするならば、
「中国福建省、○○石材」と記載してある方が親切ではないかと思います。


しかし、通常、石材店が外国産の墓石を仕入れる際には石材商社に依頼します。


当社の様に、中国国内に数多くある石材加工工場の中から、
使用する石種や墓石のカタチに応じて加工工場を選定し、
自ら中国に出向き、製品検品までを行っている石材店はめずらしい存在です。


普通は、中国のどこの工場で加工されているのかは石材店も知らないのです。


しかし、現代社会においては、お米や野菜などの食品にも、
生産者の名前や住所、顔までもが表示される時代です。


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一般消費者は「購入するものについて正確な情報が欲しい」と考えています。


お墓に関しては、そうそう買い替えるものではないだけに、
どこで加工された製品なのかがきちんと表示されていることが要求されます。


産地証明書が、そうした一般消費者のニーズに応えするものとするならば、
「中華人民共和国」「中国・福建省」といった記載だけではなく、
加工工場の名称までが、きちんと記載されたものであるべきではないでしょうか。



           ~つづく~



「産地証明書」は信用できるのか?(3)「A5ランク」の和牛が絶対おいしいとは限らないのと同じ!

宝石に限らず、食品などにもランク分けされているものがあります。


例えば、牛肉(和牛)の格付けです。


「A」「B」「C」の3等級からなる歩留等級と、
「5」から「1」までの肉質等級によって表示されます。


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つまり、最高ランクの「A5」から最低の「C1」まであるのです。


さらに、「神戸ビーフ」「松阪牛」「佐賀牛」「米沢牛」など、
全国には200種類以上のブランド牛肉があります。

そして、精肉店やスーパー、ステーキハウス、高級焼肉店など、
売り手側も、この等級を前面に出して販売しているところもあります。


また、消費者側もこの等級をかなり信用している傾向にあります。


私の地元、神戸では、「神戸ビーフ」が有名ですが、
「A5」ランクの神戸ビーフが必ずしも美味しいとは限りません。

なぜならば、この格付けは、それぞれの牛肉を実際に食べて行うのではなく、
目視で等級が決められるため、実際に食べてみないと分かりません。

また、素材自身は「A5」ランクの素晴らしいものであっても、
それを調理する料理人の腕が悪ければ、美味しい料理になりません。


このあたりは、墓石とよく似ています。


いくら良い石であっても、加工を手掛ける石職人の腕が悪ければ、
素材の良さを十分に引き出した、良いお墓にはなりません。


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結局は、「A5」ランクの「○○牛」云々にこだわるよりも、
どこのお店で誰が調理するかで、美味しいまずいが決まると思います。

仮に「A5」ランクのステーキを食べてまずかったとしても、
今後、二度とその店に行かなければ済むことです。


少々高い値段かも知れませんが、お墓に比べたらマシです!
お墓は建てた後で後悔をしてみても、すでに遅しです!


それだけに、本当に満足できるお墓づくりをするためには、
良い石材店選びに限ると言っても過言ではありません。



          ~つづく~

「産地証明書」は信用できるのか?(2)宝石の「鑑定書」「鑑別書」とはどう違うのか?

宝石に発行される証明書には「鑑別書」と「鑑定書」がありますが、
「鑑定書」が発行されるのは天然ダイヤモンドだけです。

ルビーやエメラルドなど、他の宝石には鑑別書だけです。


では、鑑別書と鑑定書の違いを簡単に説明します。


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鑑別書は、この石は本物の天然石か人口処理石かの証明書です。
「本物のダイヤモンド」「本物のルビー」かどうかを証明するものです。

鑑定書は天然ダイヤモンドだけに限って発行されるもので、
その石の大きさ、色、加工精度、キズの有無により細かく鑑定されます。


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これらの鑑定を行うのは、専門機関の認定を受けた宝石鑑定士です。

たとえば、これを墓石の「産地証明書」に置き換えてみますと、
鑑別書は、その石が本物の大島石かどうかを証明するものであり、
鑑定書は、その大島石が「特級」なのか、「1級」なのか、
「二等」なのかを証明し、加工精度までを鑑定することになります。

そう考えると、現在、墓石業界で発行されている産地証明書は、
どちらかと言えば、鑑別書に近い部類に入るのではないでしょうか?

ただ、宝石の鑑定書、鑑別書と墓石の産地証明書との大きな違いは、
宝石の場合は、認定を受けた鑑定士の資格を持つものが鑑定するのに対し、
墓石の場合は、採石丁場、石材商社、石材店などが発行している点です。

また、仮に、最高評価の鑑定書が付いたダイヤモンドの指輪であっても、
その指輪全体のデザインが素晴らしいかどうかと言うと別問題です。


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デザインに関しては、宝飾デザイナーのセンス次第です。


そのあたりは「デザイン墓石」とよく似ています。


最高級の庵治石細目を使用したデザイン墓石であっても、
見た目のデザインが野暮ったければ高級墓石に見えません。

ただ、評価の高い鑑定書が付いた天然ダイヤモンドの場合は、
財産価値として考えるならば、大きな意味があるでしょう。



           ~つづく~



「産地証明書」は信用できるのか?(1)産地証明書は品質を証明するものではない!

「産地証明書」は産地を証明するもの

「○○さんが作ったトマト」や「△△さんが育てた□□鳥」など、
食品には、産地と作り手が表示されているものが数多くあります。


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そして、「道の駅」などでは、○○さんが作った□□はよく売れるが、
他の□□はあまり売れないという現象も現れているそうです。

近年、墓石業界も同様に「産地証明書」なるものが、
採石丁場、協同組合、事業団体などから発行されるようになりました。

特に、国産の石を使用した墓石に発行される場合が多く、
その理由は、消費者に安心を与えるためだと考えられます。


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さて、この「産地証明書」が信用できるのかどうかなのですが...


先ずは、この「産地証明書」とは何を意味するのでしょうか?


読んで字のごとく「産地」を証明するものです。


つまり、「どこで採れた石」を「どこで加工」して、
「どこの石材店」を通じて販売されたかという証明なのです。


「産地証明書」が付いている製品ならば安心できるのか?

では、試しに前述の「どこ」の部分に文字を入れていきましょうか。


例えば、「○○丁場産大島石特級」を「中国△△省」で加工して、
「□□石材店」が販売した、と言うような記載内容になります。

このように、中国の石材加工工場でつくられた大島石特級の墓石でも、
日本の石を使用していれば、国産墓石の「産地証明書」が発行されます。


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中には、日本の石を日本国内で加工した「純国産製品」だけにしか、
「産地証明書」を発行しない事業協同組合等の団体もあります。


言い換えれば、その墓石の品質を保証している証明書ではないのです。


同じ大島石特級の原石であっても、加工を手掛ける業者によって、
墓石としての製品の出来栄えは、天と地ほどの差があります。

逆に、一つランクが下の「大島石1級」の原石を使用しても、
腕の良い石職人が作れば、大島石特級に負けない出来になります。


素材ももちろん大事だが、やはり作り手の技術があってこそです!


産地証明書に記載されている石材の種類やランク、
どこの採石丁場で採れた石なのかも大切な要件ですが、
どこの加工工場でつくられた製品なのかが最も重要なのです。

また、日本の加工業者がつくった製品ならすべて安心とは限りません。
ましてや、中国加工の国産墓石となるとなおさらのことです!


そして、石材店がどのような工事をしてくれるかも大切です。


すなわち「産地証明書付き」≠「良い製品とは限らない」という事です。


「産地証明書」は気休め程度に考えている方がいいのかも分かりません。


          
                 ~つづく~

中国人が日本で爆買いをするのに、日本人のお墓はなぜ中国産なのか?

ここ数年、中国から日本にやって来る観光客の爆買いが話題になっています。


なぜ、そこまでたくさんのものを買って帰るのでしょうか?


円安や免税による効果もあるが、あらゆる製品が安心なことです。


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日本製のものの品質の高さはもちろんのこと、例え日本製でなくても、
日本の消費者の厳しい目に、普段からさらされている商品なら安心だし、
ブランド品に関しても、偽物をつかまされる心配が極めてないからです。

この安心感で、中国人は日本に来て多くの買い物をするのです。
特に、ブランド品や時計、貴金属などの高級品ならなおさらです。


これと全く反対なのが、日本のお墓事情です。


現在、日本の市場に流通している、約80%が中国でつくられています。


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これは「中国産の石」という意味ではなく、インド産やアフリカ産、欧州産、
そして、日本の石も大量に送られて中国で墓石として加工されているのです。


これらも含めての約80%です!


あれっ!中国人は日本の製品が安心だから、日本で爆買いするのでしたよね?


...となると、お墓に関しては日本の技術より中国の方が上なのでしょうか?
だから、約80%ものお墓が中国でつくられているのでしょうか?


答えは「中国でつくる方が安い」というだけです。
それ以外の良い理由は何もありません!


きちんとした経営理念を掲げる日本国内の石材加工工場で、
卓越した技術力を持つ石職人が手掛けるお墓は中国産とは比較になりません。

磨きの精度や、業界で「かなて」「かねて」と呼ばれる、
直角(90度)がきちんと出て加工されているか、
蓮華加工に代表される「やくもの加工」の仕上りの美しさなど、
どれをとっても、日本の石材加工技術の方がはるかに優れています。


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また、優れた技術力に加え「とことん良いものをつくる!」という信念や、
石職人としてのプライドなど、考え方や取り組み方の違いもあります。

予算の関係で、中国産の墓石を選ぶのは仕方がないとしても、
中国で加工された国産墓石を選ぶのは如何なものかと思います。

「安心できるお墓が欲しい」という想いで国産の石を選んだのに、
肝心の加工が中国では、決して満足のいくお墓になるとは限りません。


中国の石材加工事情では「任しておけば安心!」なんてあり得ません。


私どもの会社、第一石材では、中国加工の製品に関しては、
原石のから完成に至るまでを、私自ら中国に出向き検品しています。


そこまでして、ようやく安心できる中国製品ができるのです。


それでも、当社では日本の石を中国の石材加工工場で加工した、
「中国加工の国産墓石」の取り扱いは一切しておりません。

国産の石でお墓建立をお考えになられる方のほとんどが、
品質に関する安心面を考えて出した結論であると思います。


それならば、中国でつくるより日本じゃないでしょうか?


中国加工の国産墓石を買うくらいなら、同じく中国で加工される、
インド産御影石など優れた石質の墓石を選ぶ方が賢明でしょう。


純国産でなければ「日本酒」とは呼ばせません!

「日本酒」表示、純国産に限定。財務省が年内にも方針

平成27年(2015年)6月9日(火)のに、
「純国産でなければ「日本酒」とは呼ばせません!」
という内容のニュースが配信されました。

政府の「クールジャパン戦略」の一環のようで、
財務省がこのような方針を年内にも決める様子です。

今後増えるとみられる外国産の清酒と差別化し、
日本食ブームに乗って、「本家本元の日本酒」を、
世界中で味わってもらうのが狙いとのことです。


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これまで、日本酒のはっきりした定義はなかったとのこと。

これは「国産墓石」についても現在の日本酒と同様で、
これと言った、はっきりとした定義はありません。

国税庁長官は、年内にも「日本酒」について、
地名を商品名に使う知的財産権である、「地理的表示」に指定し、
日本酒や英語の「ジャパニーズ・サケ」を名乗れる清酒を、
材料には、「国産米」や「国内の水」を使用して、
なおかつ“国内でつくられた清酒”に限る方針とのことです。


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日本など世界貿易機関(WTO)の加盟国は、
「地理的表示」に指定した商品を保護し、
その地名を産地以外の商品に使わないよう取り決めています。

イギリス・スコットランドの「スコッチ・ウイスキー」、
フランス・シャンパーニュ地方の「シャンパン」が代表例です。


※このニュースについて詳しくはコチラまで!
“「日本酒」表示、純国産に限定 財務省が年内にも方針”


「クールジャパン戦略」とは?

民主党政権下であった2010年の頃、人口の減少や産業の空洞化により、
将来、日本は深刻な雇用不安が生まれるのではないかとの危機感があり、
経済産業省製造産業局に「クール・ジャパン室」が設置されました。

2011年7月に経済産業省が発表した「クールジャパン戦略」では、
「自動車、家電に頼った成長は難しくなっている」と現状を分析しています。


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「クールジャパン戦略」とは、マンガやアニメに代表される、
ポップカルチャーやクリエイティブ産業など、日本発の文化で、
世界に誇れる文化を積極的に発信していこうという取り組みのことです。

「クールジャパン」の代表的に挙げられるコンテンツは、
マンガ、アニメ、ファッション、アイドル、コスプレ、
日本式「カワイイ」文化など、若者文化を牽引する、
コンテンツ産業・クリエイティブ産業であると言えます。

その他にも、食文化、上質な工芸、ものづくり産業、
きめ細やかな心配りを売りとする、ホテルや宅配便などのサービス業、
また、ニンジャや武士道などの伝統的日本文化もクールジャパンに含まれます。


「国産墓石」の定義はどうなるのか?

現在、日本の市場に流通している墓石の約8割以上は、
中国の石材加工工場で加工・製作され輸入されています。


そして、この8割の中に「国産墓石」も含まれています。


墓石の場合は、今回の「日本酒」のような動きではなく、
材料、つまり「石」が国産であれば、加工地には関係なく、
堂々と「国産墓石」として販売しても、法的に問題はありません。


消費者がこの事実をどれだけ知っているかは疑問ですが…


お墓文化は、日本独自の「先祖祭祀」という土着文化であり、
また、前述の「上質な工芸」「ものづくり文化」にも当てはまります。


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最近では、だんだんと希薄になりつつありますが、
亡き人を「ご先祖様」と崇め、長きに渡りお祀りしてきた、
「先祖祭祀」「祖先崇拝」という伝統的日本文化も、
「クールジャパン戦略」に当てはまるのではないかと思うのですが?

消費者に対するまぎらわしさの解消を考えると同時に、
お墓は高額商品であり、また単なる「モノ」ではないのです。


それぞれの大切な方をお祀りする「礼拝物」なのです。


そう考えると、「国産墓石」の定義も、日本酒と同様、
「日本の石」を「日本の職人」が「日本国内」で加工したもの
という定義に変えるべきではないかと私個人的には思います。



しかし、業界の多くの人が、そうは望んでいない現状では、
当分は、日本の石を中国で加工したものも「国産墓石」なのでしょう。


…というより、そちらが絶対的多数を占めているのもどうかと思います。

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