「産地証明書」は産地を証明するもの
「○○さんが作ったトマト」や「△△さんが育てた□□鳥」など、
食品には、産地と作り手が表示されているものが数多くあります。
そして、「道の駅」などでは、○○さんが作った□□はよく売れるが、
他の□□はあまり売れないという現象も現れているそうです。
近年、墓石業界も同様に「産地証明書」なるものが、
採石丁場、協同組合、事業団体などから発行されるようになりました。
特に、国産の石を使用した墓石に発行される場合が多く、
その理由は、消費者に安心を与えるためだと考えられます。
さて、この「産地証明書」が信用できるのかどうかなのですが...
先ずは、この「産地証明書」とは何を意味するのでしょうか?
読んで字のごとく「産地」を証明するものです。
つまり、「どこで採れた石」を「どこで加工」して、
「どこの石材店」を通じて販売されたかという証明なのです。
「産地証明書」が付いている製品ならば安心できるのか?
では、試しに前述の「どこ」の部分に文字を入れていきましょうか。
例えば、「○○丁場産大島石特級」を「中国△△省」で加工して、
「□□石材店」が販売した、と言うような記載内容になります。
このように、中国の石材加工工場でつくられた大島石特級の墓石でも、
日本の石を使用していれば、国産墓石の「産地証明書」が発行されます。
中には、日本の石を日本国内で加工した「純国産製品」だけにしか、
「産地証明書」を発行しない事業協同組合等の団体もあります。
言い換えれば、その墓石の品質を保証している証明書ではないのです。
同じ大島石特級の原石であっても、加工を手掛ける業者によって、
墓石としての製品の出来栄えは、天と地ほどの差があります。
逆に、一つランクが下の「大島石1級」の原石を使用しても、
腕の良い石職人が作れば、大島石特級に負けない出来になります。
素材ももちろん大事だが、やはり作り手の技術があってこそです!
産地証明書に記載されている石材の種類やランク、
どこの採石丁場で採れた石なのかも大切な要件ですが、
どこの加工工場でつくられた製品なのかが最も重要なのです。
また、日本の加工業者がつくった製品ならすべて安心とは限りません。
ましてや、中国加工の国産墓石となるとなおさらのことです!
そして、石材店がどのような工事をしてくれるかも大切です。
すなわち「産地証明書付き」≠「良い製品とは限らない」という事です。
「産地証明書」は気休め程度に考えている方がいいのかも分かりません。
~つづく~