宝石に発行される証明書には「鑑別書」と「鑑定書」がありますが、
「鑑定書」が発行されるのは天然ダイヤモンドだけです。
ルビーやエメラルドなど、他の宝石には鑑別書だけです。
では、鑑別書と鑑定書の違いを簡単に説明します。
鑑別書は、この石は本物の天然石か人口処理石かの証明書です。
「本物のダイヤモンド」「本物のルビー」かどうかを証明するものです。
鑑定書は天然ダイヤモンドだけに限って発行されるもので、
その石の大きさ、色、加工精度、キズの有無により細かく鑑定されます。
これらの鑑定を行うのは、専門機関の認定を受けた宝石鑑定士です。
たとえば、これを墓石の「産地証明書」に置き換えてみますと、
鑑別書は、その石が本物の大島石かどうかを証明するものであり、
鑑定書は、その大島石が「特級」なのか、「1級」なのか、
「二等」なのかを証明し、加工精度までを鑑定することになります。
そう考えると、現在、墓石業界で発行されている産地証明書は、
どちらかと言えば、鑑別書に近い部類に入るのではないでしょうか?
ただ、宝石の鑑定書、鑑別書と墓石の産地証明書との大きな違いは、
宝石の場合は、認定を受けた鑑定士の資格を持つものが鑑定するのに対し、
墓石の場合は、採石丁場、石材商社、石材店などが発行している点です。
また、仮に、最高評価の鑑定書が付いたダイヤモンドの指輪であっても、
その指輪全体のデザインが素晴らしいかどうかと言うと別問題です。
デザインに関しては、宝飾デザイナーのセンス次第です。
そのあたりは「デザイン墓石」とよく似ています。
最高級の庵治石細目を使用したデザイン墓石であっても、
見た目のデザインが野暮ったければ高級墓石に見えません。
ただ、評価の高い鑑定書が付いた天然ダイヤモンドの場合は、
財産価値として考えるならば、大きな意味があるでしょう。
~つづく~