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能島孝志ブログ 2016年5月

「産地証明書」は信用できるのか?(5・最終話)しょせんはただの紙切れ!

以下のブログからの続きです。最初からご覧になってください。

(1)産地証明書は品質を証明するものではない!
(2)宝石の「鑑定書」「鑑別書」とはどう違うのか?
(3)「A5ランク」の和牛が絶対おいしいとは限らないのと同じ!
(4)外国産墓石の産地証明書には国名・加工地のみの記載


消費者が購入したお墓に発行される「産地証明書」について、
これまで、いろいろと書かせて頂きましたが結論です。


「産地証明書」をまるまる信用するのは危険です。
極論すればただの紙切れであって、お墓そのものではないのです。



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消費者のなかには、産地証明書の有無を最も重視する人がいますが、
書かれていることといえば、国産墓石でも以下のような内容だけです。

①石の名称
②採石丁場...原石の採掘業者名
③加工業者又は、石材商社名
④販売店名...石材店など墓石販売店

外国産墓石の場合は、もっと簡略化されています。


要するに「どこで採れた」「どういう名前の石を」、
「どこでつくった」または「どこの石材商社が取り扱いをしたか」、
そして、どこの石材店が消費者に販売したかが書いてあるだけです。

愛知県で製造されたプリウスをカローラ兵庫○○店で購入。
亀山工場で製造されたシャープのアクオスをヤ○ダ電気で購入。


例えるならばこんな感じです。


クルマや家電製品を購入する時にこんな内容の証明書を求めますか?


クルマや家電製品などの工業製品でも当たり外れがありますが、
石は大地の自然から産出される天然資源であるだけに、もっと厄介です。
いくら有名ブランド石であっても全てが良いわけではありません。


なかには、墓石に使えないような石もたくさんあります。


そして、いくら良い素材を使っていても墓石自体の構造はどうなのか?
加工精度の良し悪しや、耐久性に優れた設計・施工であることも重要です。


お墓は極めて当たり外れがある商品なのです!


先ずは、そこの部分を一般消費者は知っておくべきです。
※詳しくは「お墓には当たり外れがある?」をご覧ください。

今の世の中、はたして何を信用していいのか分からないくらい、
さまざまな業界で数多くの偽装事件が勃発しているだけに、
「産地証明書」に頼りたいという消費者の気持ちも分かりますが、
しょせんは「ただの紙切れ」であることを十分認識しておくべきです。


繰り返しますが、実際のお墓そのものではないのです!


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お見合いでも「釣書」の内容だけで結婚を決める人はまずいないでしょう。
やはり、実際に合って話をして、その人の「人となり」や、
自分との相性など、釣書以上に優先されることの方が多いはずです。

お墓の場合も同じで、産地証明書や保証書なんてなくても、
素晴らしいお墓を提供してくれる石材店もあるはずです。


やはり、最終的には「石材店選び」しかありません。


お墓は高価な買い物だけに「産地証明書」という紙切れだけに頼らず、
いろいろな石材店に自ら足を運び判断するしか方法はなさそうです。




             ~おわり~



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