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純国産でなければ「日本酒」とは呼ばせません!

「日本酒」表示、純国産に限定。財務省が年内にも方針

平成27年(2015年)6月9日(火)のに、
「純国産でなければ「日本酒」とは呼ばせません!」
という内容のニュースが配信されました。

政府の「クールジャパン戦略」の一環のようで、
財務省がこのような方針を年内にも決める様子です。

今後増えるとみられる外国産の清酒と差別化し、
日本食ブームに乗って、「本家本元の日本酒」を、
世界中で味わってもらうのが狙いとのことです。


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これまで、日本酒のはっきりした定義はなかったとのこと。

これは「国産墓石」についても現在の日本酒と同様で、
これと言った、はっきりとした定義はありません。

国税庁長官は、年内にも「日本酒」について、
地名を商品名に使う知的財産権である、「地理的表示」に指定し、
日本酒や英語の「ジャパニーズ・サケ」を名乗れる清酒を、
材料には、「国産米」や「国内の水」を使用して、
なおかつ“国内でつくられた清酒”に限る方針とのことです。


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日本など世界貿易機関(WTO)の加盟国は、
「地理的表示」に指定した商品を保護し、
その地名を産地以外の商品に使わないよう取り決めています。

イギリス・スコットランドの「スコッチ・ウイスキー」、
フランス・シャンパーニュ地方の「シャンパン」が代表例です。


※このニュースについて詳しくはコチラまで!
“「日本酒」表示、純国産に限定 財務省が年内にも方針”


「クールジャパン戦略」とは?

民主党政権下であった2010年の頃、人口の減少や産業の空洞化により、
将来、日本は深刻な雇用不安が生まれるのではないかとの危機感があり、
経済産業省製造産業局に「クール・ジャパン室」が設置されました。

2011年7月に経済産業省が発表した「クールジャパン戦略」では、
「自動車、家電に頼った成長は難しくなっている」と現状を分析しています。


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「クールジャパン戦略」とは、マンガやアニメに代表される、
ポップカルチャーやクリエイティブ産業など、日本発の文化で、
世界に誇れる文化を積極的に発信していこうという取り組みのことです。

「クールジャパン」の代表的に挙げられるコンテンツは、
マンガ、アニメ、ファッション、アイドル、コスプレ、
日本式「カワイイ」文化など、若者文化を牽引する、
コンテンツ産業・クリエイティブ産業であると言えます。

その他にも、食文化、上質な工芸、ものづくり産業、
きめ細やかな心配りを売りとする、ホテルや宅配便などのサービス業、
また、ニンジャや武士道などの伝統的日本文化もクールジャパンに含まれます。


「国産墓石」の定義はどうなるのか?

現在、日本の市場に流通している墓石の約8割以上は、
中国の石材加工工場で加工・製作され輸入されています。


そして、この8割の中に「国産墓石」も含まれています。


墓石の場合は、今回の「日本酒」のような動きではなく、
材料、つまり「石」が国産であれば、加工地には関係なく、
堂々と「国産墓石」として販売しても、法的に問題はありません。


消費者がこの事実をどれだけ知っているかは疑問ですが…


お墓文化は、日本独自の「先祖祭祀」という土着文化であり、
また、前述の「上質な工芸」「ものづくり文化」にも当てはまります。


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最近では、だんだんと希薄になりつつありますが、
亡き人を「ご先祖様」と崇め、長きに渡りお祀りしてきた、
「先祖祭祀」「祖先崇拝」という伝統的日本文化も、
「クールジャパン戦略」に当てはまるのではないかと思うのですが?

消費者に対するまぎらわしさの解消を考えると同時に、
お墓は高額商品であり、また単なる「モノ」ではないのです。


それぞれの大切な方をお祀りする「礼拝物」なのです。


そう考えると、「国産墓石」の定義も、日本酒と同様、
「日本の石」を「日本の職人」が「日本国内」で加工したもの
という定義に変えるべきではないかと私個人的には思います。



しかし、業界の多くの人が、そうは望んでいない現状では、
当分は、日本の石を中国で加工したものも「国産墓石」なのでしょう。


…というより、そちらが絶対的多数を占めているのもどうかと思います。

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